
1970年代に入ると、パンチグラフトを使用した「パンチ式植毛法」は世界的に広がり80年代の自毛植毛の中心的な方法となりました。しかし、まだまだ大きなグラフトを使用することが多く、自然さには欠けていました。
また、それと共にさまざまな移植法も考案されました。
70年代前半に開発された「フラップ法」は、毛髪の多い側頭部を、一辺だけ頭皮に繋がった状態で切り取り、これを髪の毛の薄い部分に張り合わせる方法です。当時は、フラップの切り出し方などに様々なバリエーションが編み出されました。しかし、血流が行き届かず、フラップが壊死する危険性も持っていました。
70年代後半に考案された「スカルプ・リダクション法」は、髪の薄い部分の頭皮を切り取り、まだ髪のある頭皮の部分を引き上げて薄毛の範囲を小さくするという大胆な方法でした。
そこから派生した「スカルプ・エクスパンダー法」はさらに大胆で、頭皮を引き上げやすくするために、頭蓋骨との間に生理食塩水を注入し、頭皮を伸ばした上で引き上げるという、施術にはかなりの覚悟を要するものでした。
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